スタバでの経験

By: MIKI Yoshihito

以前、スターバックスのドライブスルーで、助手席に彼女を乗せた男性がマイクに向かって、「あのさぁ、カフェモカァふたつとお、ほか何あんの?え? 聞こえね―」と言っているのを聞いたことがあります。もしかして、隣の彼女に対して威厳を示しているのかもしれませんが、とても社会に適応しているとは思えません。店員さんも何かサービスしようという気持ちなど起きないでしょう。

対人コミュニケーションでいちばん大切なことは相手の気持ちを察すること。音の洪水のなかで生きていると「音を遮断すること」に慣れてしまいますから、普段の会話でも相手の繊細な言葉に反応できなくなります。音を強制的に遮断して自分に都合が良い音だけ聴くことに慣れると、当然コミュニケーションにおいても影響が出てきます。都合の良い音ばかりを聴いていて、いきなり相手の相談に親身に乗れるはずがないのです。

「iPodで音楽を聴くのと、相談に乗るのと関係あるのか?」と思われるかもしれません。しかし、「聴く」という行為は、音楽を聴く、小鳥のさえずりを聞く、上司の話を聞く、恋人の話を聞く、スタバのドライブスルーで店員さんの声を聞く、などすべて同じです。

一見関係ないようなことも、「聴く」という刺激として等しく関係を織りなしていると考えると、世界が変わって見えます。店員さんには乱暴な言葉を使うけど、恋人の話はしっかりと聞くという人はほとんどいないはずです。普段の会話でも、どこかに必ず「聴く」という感覚のクセが出ます。ですから、普段から些細な音の変化に耳を傾けることが大切なのです。